霰粒腫(まぶたのしこり)の症状と治療|ものもらいとの違いも解説

― まぶたにできる“しこり”の正体 ―

霰粒腫とは?

**まぶたの中にある「マイボーム腺」という皮脂腺が詰まり、炎症や肉芽組織ができることで生じる“しこり”**です。
見た目はまぶたにできる丸い膨らみで、基本的に痛みは少なく、ゆっくりと大きくなるのが特徴です。


主な症状

  • まぶたに触れると硬いしこりがある
  • 初期には赤みや軽い痛みを伴うこともある
  • 大きくなると腫れぼったく見える
  • まれに視界を妨げることもある
  • 美容的な違和感・見た目の悩みにつながる

ものもらい(麦粒腫)との違い

  • 麦粒腫(ものもらい):細菌感染が原因 → 赤く腫れて痛みが強い、膿がたまる
  • 霰粒腫:感染ではなく腺の詰まりが原因 → 痛みは少なく、慢性的にしこりが残る

原因

  • マイボーム腺の出口が詰まり、分泌物がたまる
  • 脂の性質や体質、皮脂分泌のバランス
  • 眼瞼炎・脂漏性皮膚炎との関連
  • ストレスや生活習慣による悪化も

治療法

霰粒腫は自然に小さくなることもありますが、残ってしまう場合は治療が必要です。

保存的治療

    • 温罨法(あたため)で分泌物をやわらかくして排出を促す
    • 抗炎症点眼や軟膏で炎症を抑える

注射治療

    • ステロイド注射で炎症を鎮め、しこりを縮小させる

手術治療

    • 局所麻酔でまぶたを切開し、内容物を除去
    • 数十分で終わる日帰り手術

ダウンタイム・リスク

  • 手術後は腫れや内出血が1〜2週間程度
  • 再発することもある(特に体質やマイボーム腺機能不全がある場合)
  • まれに感染や瘢痕が残る可能性

よくある質問(Q&A)

Q. 自然に治りますか?
A. 小さいものは自然に吸収されることもありますが、数週間以上残っている場合は治療を検討した方がよいです。

Q. 手術は痛いですか?
A. 局所麻酔で行うため、手術中の痛みはほとんどありません。術後は軽い腫れや違和感程度です。

Q. 再発しますか?
A. 体質やまぶたの状態によっては再発することがあります。まぶたの清潔保持や温罨法が予防に有効です。

Q. 見た目の傷あとが残りませんか?
A. 通常は二重の線またはまぶたの裏から切開するため、傷あとは目立ちません。


まとめ

霰粒腫は、まぶたの中の脂腺が詰まってできる良性のしこりです。
自然に小さくなる場合もありますが、長引くときや見た目・機能に影響する場合は治療を検討しましょう。
当院では、傷あとや再発リスクにも配慮した治療を行っています。

「何かわからないが、なかなか治らないしこりがある」といったご相談もお気軽にどうぞ。

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