眉下切開とは?上まぶたのたるみを改善する手術と症例解説

眉下切開による若返り治療

眉下切開とは?

眉毛のラインに合わせて切開を置き、余った皮膚を選択的に切除して縫合する手術です。二重のラインを直接いじらないため、二重幅を大きく変えずに“かぶさり”を軽くできます。外側のたるみに強く、前頭筋の“おでこ上げ”代償が減って額じわが和らぐこともあります。



■向いている人

  • まぶたの重さの主因が**皮膚たるみ(上方〜外側の“のれん状”)**である
  • 二重ラインは今のまま活かしたい
  • 眉毛の毛量があり、瘢痕が隠れやすい
  • 外側のかぶさりを重点的に改善したい

■向いていない/単独では不十分なケース

  • **眼瞼下垂(まぶたを挙げる筋肉の異常)**が主体:まずは下垂手術を検討。
  • くぼみ目で“こけ”が目立つ:眼瞼下垂症手術、脂肪移植やヒアルロン酸等の併用を検討。
  • 眉が極端に薄い/ケロイド体質/瘢痕が目立ちやすい職業:術式変更や慎重適応。


他術式との使い分け(ざっくり早見表)

お悩みの主因

向く術式の第一候補

補足

皮膚たるみ(外側優位)

眉下切開

二重は温存しやすい。外側のたるみに強い。

皮膚たるみ(二重ライン直上〜全体)

上眼瞼皮膚切除(上眼瞼たるみ取り)

二重ラインの設計が自在。

まぶたの開きが弱い/視野が狭い

眼瞼下垂手術(挙筋前転 等)

必要に応じ皮膚切除を併用。

眉自体が下がっている

前額リフト

額や眉間のしわに対するアプローチも可能。



「後悔」につながりやすいポイントと、当院の回避策


  1. 適応ミスマッチ
    開きの弱さ(下垂)を“皮膚のみ”で解決しようとすると不満が残ります。→ カウンセラーではなく、形成外科医が直接診察します。
  2. 切除過多・左右差 閉瞼不全や突っ張り感、ライン不整の原因に。→ ピンチテストとデザインの念入りな確認を行います。また、必要に応じ併用術式(上眼瞼切開や微量のボリューム補正)を提案します。
  3. 瘢痕の目立ち 体質・眉毛密度・縫合法で差が出ます。→ 当院では特にデザインや縫合にはこだわっております。傷あとの専門であった形成外科医が、吸収糸による皮下縫合とナイロン糸による表縫合を併用し、丁寧に縫合します。


手術の流れ・ダウンタイム

  • 所要:60–120分前後(局所麻酔/笑気麻酔/静脈麻酔)
  • 抜糸:5–7日目
  • 腫れ・赤み:1–2週間が目安(瘢痕の赤みは数か月かけて白っぽく落ち着きます)
  • メイク:抜糸翌日目安(創直上は2週程度は控えていただきます)
  • 通常生活:当日〜翌日より可。入浴は翌日から可能になります。
    (※個人差があります)




合併症・リスク

出血・腫脹・感染・瘢痕の発赤/肥厚・眉周囲の一過性のしびれ・左右差・閉瞼不全(切除過大)・縫合糸の反応性肉芽・再手術の可能性など。前頭筋の代償が減るため眉位置や表情の使い方が微調整されることがあります。


よくある質問

Q. 傷は目立ちますか?
A. 眉下縁に沿わせ、毛流に合わせて縫合することで目立ちにくく設計します。体質やケアで差が出るため、日焼け対策をお願いしています。

Q. 二重幅は変わりますか?
A. 基本は二重ラインを変えませんが皮膚のかぶさりが軽減されることで広くなることが多いです。二重のデザイン変更をご希望の場合は、二重切開や併用術式をご提案します。

Q. 眼瞼下垂も同時に治せますか?
A. 眼瞼下垂がある場合は挙筋前転などの下垂手術を優先し、必要に応じて皮膚切除を同時または段階的に行います。



山田淳生

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