女性の
生活習慣病

生活習慣病を予防して元気に長生きし、快適な生活を送りましょう。

生活習慣病とは

Lifestyle Disease

女性の生活習慣病は、生活習慣だけの問題ではなく、女性ホルモン(エストロゲン)が大きく関係しています。

女性の健康に深く関わる女性ホルモン(エストロゲン)
女性はエストロゲンにより健康が維持されている部分が非常に大きいのです。エストロゲンは女性の様々な生活習慣病を予防するように働きかけ女性の若さを保ちます。

エストロゲン作用

point

  • 総コレステロールを抑え、善玉コレステロールを増やし、悪玉コレステロールをへらす。
    高脂血症を予防する。
  • 動脈硬化を予防。→ 狭心症、心筋梗塞、脳梗塞のリスクを低下させる。
  • 腸からのビタミンDの吸収を促進、骨からのカルシウム吸収を抑制→骨量を増加させる。
    骨粗鬆症を予防。
  • 膣の健康を維持。→ 萎縮、炎症、性交障害を予防。
  • 尿道粘膜、筋肉の萎縮を防ぐ。→ 頻尿、失禁を予防。
  • 皮膚の線維芽細胞に作用しコラーゲンの分泌を促進、ヒアルロン酸の産生を促進
    皮膚の乾燥、皺を予防、肌の張りやつやを保つ。また髪につやを与える。
  • 脳の動脈硬化を予防、神経伝達物質、神経細胞に作用
    物忘れ、痴呆症を予防する。
  • 健康感を増進し体力の充実をもたらす。
  • その他、白内障の予防、歯の脱落予防、大腸癌、肺癌の予防、糖尿病の予防に役だつという報告もなされている。

女性では、40歳を過ぎた頃より卵巣機能の低下が始まり、45歳から55歳頃に閉経を迎えます。この頃よりエストロゲンが低下するわけですから、生活習慣病が急に増加します。

女性は、閉経前後より、卵巣機能が低下するため、エストロゲンの分泌が急激に低下します。そのため、顔が火照る、良く汗をかく、疲れやすい、動悸や息切れ、不眠、肩こり、冷えなどの症状が現れます。これらは、典型的な更年期症状で、更年期に入った女性には多かれ少なかれ出現する症状です。これまで女性は、こういった症状を、生理的な現象の一つとして、病気と考えずじっと我慢しながら過ごしていました。

しかし、これらの症状は、エストロゲンの減少から起こっているものであることが分かり、エストロゲンを補充してあげることで、見違えるように良くなることが分かってきました。

また、エストロゲンを補充することで更年期以後に増加する動脈硬化や心臓病、高脂血症、骨粗鬆症や痴呆を予防することが出来るほか、皮膚の老化を防ぎ、肌の張りを保ち、皺を予防し抜け毛を減らし若さを保つ効果もあることが分かってきたのです。

そしてその効果は、エストロゲンを長期間にわたって補充し続ければし続けるほど大きいことも分かっています。

エストロゲンを投与すると、骨粗鬆症による骨折率を半分に減らし、狭心症や心筋梗塞などにかかる危険率を半分に減らします。また、皮膚の老化を防ぎ、泌尿生殖器の健康を保ち、女性の若さと美しさを保つことが出来ます。

欧米ではホルモン補充療法は、女性としての若さや美しさを保つための治療法として人気が高く、更年期障害に悩む女性だけでなくふつうの閉経後の女性が高齢化社会を元気に生き抜くために必須の治療法として、2~3人に1人が治療を受けています。

女医が書いた美しさと健康の秘訣

Web book

女性にとっては健康も美しさも大切なもの

生活習慣の差は老後に現れる

私は現在のクリニックを開業する前の1年間、老人保健施設でお年寄りの健康管理の仕事に携わっていました。
老人保健施設とは、ひと言でいえば病院から家庭に患者さんを橋渡しする場で、
退院後の病気の管理とソハビリを行うところです。
急性期の病気で入院されていたお年寄りは、退院されても、
家庭に帰ってすぐにふつうの生活に復帰できない場合があります。
そんなとき、リハビリをして家庭復帰を促すのです。
そこで大勢のお年寄りと接して感じたことは、老化の速度や形態に大きな個人差があるということでした。
町を歩いていると、60代でもお元気で、とてもお年寄りとは呼べないような若々しい方がいらっしゃいます。
ところが老人保健施設に一歩入ると、同じ60代でも自由に歩けない人、動けない人、痴呆が進んでしまっている人、
介助を必要とする人など、不自由を強いられている方や1人で生活できない方が大勢いらっしやるのです。
女性の平均寿命が84歳を超えたいま、60代になって残りの20年近くを
「痛い、つらい」だけで生きるのは本当にお気の毒です。
その一方で、何歳になってもおいしく食事ができたり、おしゃれを楽しめる人生があるのです。
どちらが幸せか、選択の余地はありません。
もちろん生活環境や体質が1人1人異なるのは承知のうえですが、同じように60年の歳月を生きてきて、
どうしてこれだけの違いが出てきてしまうのでしょうか。
その理由のひとつが、生活習慣です。若い頃には気がつかなかった小さなことの積み重ねが、
老後に大きな差をつけてしまうのです。
たとえば骨粗鬆症は、若い頃からカルシウムを十分とり、運動をして骨量をコツコツとためていれば、
予防することもできる病気です。
ところが不規則な生活をしたり、栄養に偏りのある食事をしていれば、
更年期で女性ホルモンが減少したときに骨量もガクンと減ってしまいます。
若い頃からの食生活やライフスタイルが、20年後、30年後にはね返ってくるのです。
予防医学の大切さが、あちこちでいわれていますが、私が最終的にたどり着いたのも、やはり"予防"でした。
私が目にしたお年寄りの姿は、いまの私たちの何年後かの縮図です。
そのとき健康で若々しくいるためには、現在の生活を決しておろそかにできません。

美しさと健康は表裏一体で保たれるある

全国紙の紙面に、「こんなおばあちゃんになりたい」という連載記事が載っています。
毎回、若いタレントさんや女優さんが、将来なりたいおばあさん像を語っているのですが、
それぞれユニークなおばあさん像が語られ、ほほえましく読んでいます。
自分の、そう遠くない老後を考えても、健康でありたいというのは必要最低条件です。
それに加えて、できれば若々しく、こぎれいなおばあさんでいたいとだれもが思っているのではないでしょうか。
ところが女性の中には、更年期を迎えると急に老け込んでしまう人がいます。
もちろん更年期はまだまだ女盛りの年域で、老後と呼ぶような年齢ではありません。
しかしあとで述べるように、女性ホルモンの急激な減少によって体調を崩し、
それにともなって若さや美しさまで手放してしまう女性がけっこう多いのです。
いわゆる更年期障害と呼ばれる症状で、さまざまな不快症状に襲われます。
不快な症状があれば、顔色も悪くなり、表情も暗くなってきます。
おしゃれに気を配る余裕もなくし、ただつらい症状に耐えるのが精いっぱいです。
東洋医学に、『皮膚は内臓の鏡』という言葉があります。
つまり内臓が悪ければ、それがそのまま皮膚に現れるというのです。
たとえば肝臓が悪ければ、顔色が悪くなり、シミができやすくなります。
貧血があれば皮膚も青自くなり、更年期でホルモンバランスが崩れれば肌にくすみが出てきます。
胃腸が悪くて便秘がちなら、ニキビができやすくなるでしょう。
このように、体調を崩せば、真っ先にその影響を受けるのは肌なのです。
逆にいえば、肌のつやが悪かったり顔色がくすんでいれば、どこか内臓の機能低下が疑われます。
女性は一般に美容に対してはどん欲で、お肌や髪の衰えが気になれば、一生懸命お手入れをします。
高級な化粧品を買ったり、 エステティックサロンに通って少しでもハリやうるおいを取り戻そうとするでしょう。
しかしそういう外見的なものにとらわれるのではなく、なぜお肌の調子が悪いのか、
なぜ髪がパサつくのかを考えてみてください。
それは決して老化のためばかりではなく、裏に体の不調が潜んでいることもあるのです。
ですから私は、診察のときには必ず患者さんの肌の状態、顔色などを診ます。
それによって、いま体調がどんな状態か、おおよそつかめるからです。

男性とは違う女性の生活習慣病がある

日本人の長寿は、世界一です。
とくに女性は、平均寿命が84.01歳(1998年)と、男性(77.16歳)より7歳近くも上回っています。
この平均寿命に対して、寿命の質を決めるのが「健康寿命」です。
これは平均して何歳まで健康な状態で暮らせるかを示したものですが、
日本人はこの健康寿命も世界一だということが、WHO(世界保健機関)の調べでわかりました。
女性の健康寿命は77.2歳で、平均寿命との差は約6.8歳。
かなり長寿の恩恵を受けられるものの、将来はこの数字も伸び悩みそうだとか。
喫煙人口の増加や食生活の変化などで、健康を害する人が今後は増えそうだと予測されているのです。
せっかく獲得した長寿です。
天命が来るまで元気に、いきいきと過ごしたいと思うのは、当然の願いです。
そのためにぜひとも必要なのが、生活習慣病の予防です。
これまで、年齢を重ねることで発症する病気を「成人病」と呼んでいました。
しかし成人病は、日々の生活習慣を改善することによって、発病を遅らせたり、
予防できることがわかり、「生活習慣病」と改められました。
生活習慣病には高血圧、高脂血症、心臓病、痛風、肥満、糖尿病、脳血管障害、アルコール性肝疾患、
肺気腫、慢性気管支炎、ガン、骨粗鬆症、歯周病などがあります。
生活習慣病の発症は、食生活や運動、喫煙、飲酒、休養など、日々のライフスタイルに関係しています。
しかし女性の場合、生活習慣以上に大きな影響を与えるのが、女性ホルモンです。
女性は男性に比べると比較的自分の健康に関心を持ち、生活習慣にも気をつけています。
喫煙や飲酒も、男性ほど多くはありません。
にもかかわらず、あるときから急にコレステロール値が上がったり、高脂血症と診断されることがあります。
その原因は、更年期を境に急激に女性ホルモンが低下するからです。
あとで詳しく書きますが、女性の健康や美しさは、女性ホルモンによって維持されている部分が非常に大きいのです。
それが減少したとき、維持されていたものも同時に失われてしまうのです。
その急激な変化に、戸惑う女性も少なくありません。
女性ホルモンの減少によって、更年期の症状だけでなく、
いままで考えてもいなかった生活習慣病のリスクも高くなってしまうのです。
このように生活習慣病といっても、男性と女性とではその発症原因が多少異なります。
というより、女性の場合、本来の原因である生活習慣に、女性ホルモンの減少という不可避の条件が加わるのです。
逆にいえば、女性の体はそにまで女性ホルモンによって守られ、健康を維持してきた、ということです。

世界の平均寿命

自分の健康状態を知る

さあ、そこであなたの健康状態をチェックしてみましょう。
病院に行っても原因がわからない不定愁訴はないでしょうか。
もしかしたら気がつかないうちに女性ホルモンが減少してたり、ホルモンバランスが乱れているかもしれません。
それがお肌の悩みや肥満の原因になっていることもあるのです。
下記に、簡易更年期指数という指標を載せたので、あなたもご自分の状態をチェックしてみてください。

簡易更年期指数(SMI)

ヘルスアップコラム

Column
女性の方が注意したい生活習慣病

女性の方が注意したい生活習慣病

生活習慣病の怖さは皆様に周知されてきました。
厚生労働省の政策でも予防のために40歳以上の「特定健康診査」(メタボ検診)が
法定検診として義務付けられています。
生活習慣病について特に女性特有の問題点を中心にご紹介します。
生活習慣病の若年化が問題になっていますが、発症する人は40歳前後から増え始め、
高齢者数の増加とともに増え続けているのです。

生活習慣病リスクの男女差?

生活習慣病のリスクは男性の方が高いといわれています。
性ホルモンの分泌量の違いが生活習慣病発症リスクに影響を及ぼします。
女性ホルモンには肥満、高血圧や高脂血症、動脈硬化などを予防する働きがあります。
女性の方が女性ホルモンの分泌量が男性の10倍近く多いので生活習慣病のリスクは低いのです。
対して男性ホルモンは中性脂肪やコレステロールを増やす働きがあります。

40歳以降の女性の体調

女性は40歳を過ぎた頃から卵巣機能の低下が始まり55歳頃までに閉経を迎えます。
それに従ってエストロゲンの分泌が徐々に低下し、閉経前後には急激に低下します。
エストロゲンの分泌の減少により女性も生活習慣病を発症する人が急激に増えてくるのです。
エストロゲンは女性の健康を維持して若さを保持していくために大きな働きをしています。
エストロゲンの分泌低下によって更年期症状が現れ、女性が悩まされるようになります。
このような更年期障害の症状に気づけなかったり、我慢したり、
自分に自信を失ってストレスを抱えるなど苦しんでいる女性も多くいます。

女性が更年期に注意したい生活習慣病

・脂質異常症
血液中のコレステロールや中性脂肪が多い状態が続くと脂質が血管の内側に溜まり、動脈硬化を起こします。
動脈硬化が進むと脳梗塞や心筋梗塞、狭心症の原因となります。
更年期になると、血液中の善玉コレステロールを増やし、
悪玉コレステロールを減少させるエストロゲンの分泌が減少し、女性でもこの症状が起きやすくなります。
・子宮がん
・卵巣がん
・乳がん
子宮頸がんは20歳代後半から30歳代の比較的若い女性に多く見られますが、
子宮体癌は50歳代から増え始め、閉経後にさらに多くなります。
卵巣がんの発症する確率も40歳を過ぎた頃から増え始め、
閉経後の50歳から60歳頃にピークになりますが、早期発見の難しいがんといわれています。
どちらのがんも定期的な検診を受けることや不正出血やおりものや下腹部のしこりや違和感、
お腹の張りなどの症状があったら早めに病院の診察を受けることで早期発見につながります。
乳がんも30歳代から増え始め、50歳代になると一番発症しやすい時期を迎えます。
40歳以上の乳がん検診は2年に1度忘れずに受けるようにしましょう。
・骨粗鬆症
骨の量が減り、骨折を起こしやすくなる状態です。
症状が進むと背中や腰が痛んだり背中や腰が曲がってしまいます。
丈夫な骨を維持し骨の破壊を防ぐ働きのあるエストロゲンが
更年期以降の女性は減ってくるので骨粗鬆症になりやすくなります。
閉経後の女性は体のチエックを忘れずに、今まで以上に食生活に注意し、
適度の運動をすることを常に心がけなければなりません。